合本 西村多美子

「旅人/りょじん」

会期:
2023年3月4日(土) — 5月7日(日)
会場:
昌幸堂(堀川新文化ビルヂング 1F​​)

このたび 京都 昌幸堂 にて 特別企画 合本 西村多美子「旅人/りょじん」を開催いたします。本展では、写真家である西村の作品集「旅人」三部作を合本した特装版の紹介とともに、作品の銀塩プリントも展示販売いたします。また、特装版の合本・装丁は京都の職人によるもので、会期中は手製本に関する資料などもご覧いただけます。この機会にぜひ、素晴らしい写真作品と、それらを収めた美しい書物をご覧くださいませ。

作品集「旅人/りょじん」三部作は、東京の禅フォトギャラリーによる企画です。
60年代末から近年にかけて撮られた未発表のスナップ写真を西村とともに整理し、2018年から4年の歳月をかけ三冊の作品集に編集しました。集大成の写真集として一冊にせず、あえて

「 旅人 / My Journey 1968-1979 」
「 続 / My Journey Ⅱ. 1968-1989 」
「 あれから / My Journey Ⅲ. 1993-2022」

と発表することで、西村多美子という写真家の旅を読み解くことができる構成になっております。

この三部作はそれぞれに印刷用紙や編集手法が異なりますが、仕立ては全て「フランス装」となっております。「フランス装」とは本来、愛書家が自分好みに装丁しなおせるよう作られた仮綴じ本(かりとじぼん)の一つです。特装版では合本されることにより、三部作の表紙はそれぞれ扉ページへと役目が変わります。ある時点では「始まり」だったものが、前後の関係性により「通過点」となるのです。まだ人生の途上である西村多美子の50年に及ぶ旅の集大成として、10部限定で受注販売いたします。

「 旅人/りょじん 」合本の特装版は 京都 昌幸堂 の監修により、中京区にある株式会社 大入 が手がけたものです。本展を通じて製本への理解を深め、手作りの重要性を実感していただければ幸いです。

西村多美子 (にしむら たみこ)
1948年東京生まれ。1969年東京写真専門学院(現東京ビジュアルアーツ)卒業。主な出版物に『しきしま』(東京写真専門学院出版局、1973)、『熱い風』(蒼穹舎、2005)、『実存1968-69状況劇場』(グラフィカ編集室、2011)、『憧景』(グラフィカ編集室、2012)、『猫が・・・』(禅フォトギャラリー、2015)、『舞人木花咲耶姫 — 子連れ旅日記』(禅フォトギャラリー、2016)、『旅人』三部作(禅フォトギャラリー、2018、2020、2022)等。主な展示に「あれから」(禅フォトギャラリー、東京、2022)、「信任&迷惑 trust & confusion」(大館當代美術館、香港、2021)、「The Gaze of Things Japanese Photography in the Context of Provoke」(Bombas Gens Centre d’Art 、スペイン、2019)、「My Journey」(Le Plac’Art Photo、パリ、2018)。香港M+美術館に作品が収蔵されている。

合本 西村多美子
合本 西村多美子
合本 西村多美子